タイトルにもありますが日本人の腰痛で悩む人数をご存じですか?腰痛で悩む人が多いのにはそれぞれに種類があり、治療や処置が適切に行われないと改善することが難しいからです。
腰痛は日本人の約3000万人いる
日本の人口は2021年現在で約1億2千万にいますがそのうちの約25%にもなります。
これだけ多くの方が腰痛に悩まされていますが、原因が特定できるのは約15%、原因が特定できない腰痛が約85%と言われています。
腰痛には種類があり、詳しい内容を理解せずに治療をしているとなかなか治らないというケースは珍しくありません。
今、治療を受けている人も改めてご自身の症状を確認をしてみましょう。
①特定できる腰痛とできない腰痛
②腰痛の種類
③腰痛に対する適切な治療の選択
④腰痛に湿布は効果的か
⑤どこに行けば良いのかを適切に選択
各項目について詳しくご紹介していきます。
特定できる腰痛
原因が特定できる腰痛(約15%)は、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、腰椎分離症、すべり症などレントゲンやMRI、CTなどを用いると痛みの原因が分かる症状のことを指します。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、背骨である椎骨と椎骨の間にあるクッション材(椎間板)が何らかの影響を受けて変性し、組織の一部が飛び出て神経に触れることで痛みや痺れが出てきます。
首の骨である頸椎と腰の骨の腰椎で発生することが多いです。
頸椎ヘルニアの場合・・・5~7番目
腰椎ヘルニアの場合・・・4~5番目
症状は主に腰痛というよりも神経痛が出てきやすいです。指先や足先といった末端の部位に痛みを感じることがメインとなります。
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、椎間板ヘルニアとはことなる病態を呈しています。
脊柱管狭窄症は脊柱管と呼ばれる神経が通る管が何かしらの原因から変性が起きて神経の通り道を狭めてしまいます。
腰痛の一種となっていませうが、主に下半身の神経症状が強く出てきます。
間欠跛行を呈し、次第に症状がひどくなることが多いです。
間欠性跛行とは、歩いていると次第に下半身に強いシビレと痛みが出てきます。そして一定時間休憩をすると再び歩けるくらいに症状が落ちつくという特徴的な状態が現れます。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は有名なので聞いたことがある方も多いと思います。
加齢やビタミンD、カルシウムの摂取不足に伴い骨密度が低下し、骨が脆くなってしまう状態のことを指します。
骨密度の低下から、骨折するリスクがとても高くなるので転倒予防に努める必要が出てきます。
定期的に骨密度を調べている人は、事前に薬を処方され飲んでいるケースはありますが日常的に調べていない方などは骨折してから骨粗しょう症が明らかになるケースもあります。
ご家族、ご友人で気になる方がいる場合には早めに受診をして確かめてみましょう。
腰椎分離症・すべり症
腰椎分離症・すべり症は、主に10代のスポーツで盛んに動いている人に好発します。
オーバーユースや筋肉、関節の柔軟性不足から腰椎が負担を受けて、骨がその負担に耐え切れなくなり骨折をしてしまうのが一般的です。
野球やサッカー、柔道、レスリングなどのスポーツに好発しやすく10代の学生で2週間以上痛みの落ち着かない腰痛が出ている場合には直ちに運動を中止し、MRI検査をしましょう。
この検査や処置が遅くなると、疲労骨折を仮にしていた場合に次の段階である”すべり症”に移行してしまいます。
このすべり症になってしまうと、骨が癒合することは難しくなり痛みも持続的に出てくるようになります。
特定できない腰痛
特定できない腰痛は最初にお伝えした通り、約85%が原因特定ができません。
その理由には、腰の筋肉や靭帯、関節は複雑に構成されているためレントゲンやMRI、CTといった検査機器を用いても”どこが一番の原因なのか”を突き止めることが困難だからです。
この後にご紹介する腰痛をご覧いただき、どの種類に当てはまるのかをご確認ください。それぞれの内容に必要な処置方法もご紹介したいと思います。
腰痛の種類
結論から言うと、腰痛は5種類存在しています。
この5種類の内容は、腰痛で悩んでいる人にはぜひ確認してほしいと思います。
②骨性腰痛
③神経性腰痛
④心因性腰痛
⑤内科性腰痛
それでは一つずつ見ていきましょう。
筋肉性腰痛
文字通り、筋肉由来の腰痛症です。
筋膜性腰痛もあれば、筋肉自体にも痛みが出てきます。
ここで重要になるのは、どの筋肉を痛めているのか。という点です。
腰痛の説明の際によく使われる単語で、脊柱起立筋という言葉がありますがこのような単語だけで説明を受けた場合にはなかなか良くならない可能性があります。
なぜなら、脊柱起立筋というのは複数の筋肉を指す言葉であり、特定の筋肉を指している訳ではないからです。
「今回の腰痛は、脊柱起立筋を痛めているからです」
「あなたの腰痛の原因は脊柱起立筋です」
「脊柱起立筋を緩めれば良くなります」
上記でも記載したように複数の筋肉を指す言葉なので「脊柱起立筋の○○○筋を痛めているため、前屈(前かがみ)動作で痛みが出ています。」というような説明の場合には安心して身体を任せて大丈夫です。
筋肉性腰痛はとても多いので、適切に見てもらえる接骨院・整形外科を受診するようにしましょう。
骨性腰痛
骨性腰痛の場合には、特定できる腰痛にもあった腰椎分離症・すべり症はこれにあたります。
腰椎分離症は、スポーツをしている人に好発するため早期発見と運動量のコントロールはとても重要になります。
10代の学生で2週間以上痛みが続く腰痛の場合には、早急に受診をすべきです。
受診先は、レントゲン・MRI・CT撮影が検討できる整形外科が望ましいです。その後の痛みケアや骨の修復に関する治療は接骨院でも行なうことが出来ます。
また、腰椎の関節部(椎間関節)や骨盤の関節部(仙腸関節)で痛みが出ている場合もこの骨性腰痛に当てはまります。
上記2つの腰痛の場合、原因の特定が難しくなります。基本的には、特定の動作や検査法を用いたうえで判断をすることになります。
骨盤の関節(仙腸関節)由来の腰痛の場合には、その周囲に付着する靭帯からも影響を受けている場合があります。
神経性腰痛
神経性腰痛は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、坐骨神経痛などが当てはまります。
この腰痛の難しいところは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった原因が特定できる腰痛でも治療が困難となるケースは多々あります。
最終的には、手術を検討する場合もありますが必ずしも術後に”治る”とは限りません。というよりも”治る”わけではなく”症状の緩和”ができるだけなのです。
勘違いをされやすいので、とても重要なポイントになります。
”手術”=”治るではない”
ということを覚えておきましょう。
このことを念頭に、保存療法で進めていくケースが多いです。神経ブロック注射や投薬、運動療法、鍼灸など治療方法は多くあるため改善できる可能性も高いのです。
痛みが強くでやすい神経性腰痛の場合には、痛み止めの薬を飲んでいる方も多くいらっしゃいます。
ここで重要な注意ポイントとして、痛み止めは血中から全身に行き渡り身体から出てくる痛みの反応を抑えているだけですので飲み続けて良くなることはありません。
痛み止めを服用しつつ、適切な治療方法を選択することが改善の近道となります。
心因性腰痛
心因性腰痛では、痛みがハッキリしていないことが多のと痛めた原因を言えないケースがこれに当てはまります。
心理的なストレス(仕事、家庭、人間関係など)から影響を受けて、自律神経の乱れが影響している場合が多いです。
20~40代の活発に働く世代に多く、精神的な不安要素を解消しないと慢性腰痛に移行しやすいので負のスパイラルに陥りやすいです。
腰痛▶治療▶ストレス▶腰痛・・・・・・
このようなスパイラルの原因は精神面なのでそちらをケアすることを心がけましょう。
心因性腰痛の場合、ご自身で気付くことが困難である場合も多くあります。そのため、接骨院や整形外科を受診する際に身体だけではなく内面にも気遣ってくれるところへ行くことが望ましいです。
内科性腰痛
内科性腰痛とは、文字通りになりますが内臓や脊椎の疾病から影響を受けて出てくる腰痛となります。
痛みの原因を特定することは難しく、持続的に痛みが続く場合には内科性腰痛を疑います。
ココでの持続的な痛みとは、治療を施しても症状に変化が起きず痛みの程度も変わらない状況のことを指します。
治療後や治療経過において症状が緩和している場合には可能性は低くなります。
腰痛の適切な治療選択
5種類の腰痛を紹介してきましたが、それぞれに治療方法は異なります。
実際に受診するところによって、治療方法も異なってくるため初回の時に5種類のうちどれなのかを聞いてみると良いと思います。
そうすることで、適切な説明と治療を受けられる可能性が高くなるので初回の問診時に聞いてみましょう。
腰痛に湿布は効果的か
筋膜性腰痛でギックリ腰のような急性症状には湿布を貼ることは避けましょう。
理由はこちらに詳しく書いてあります▼
慢性的な腰痛には痛みが強い場合には貼ってもいいとは思いますが常用するのは避けるべきです。
痛みは神経を介して脳に伝わりますが、湿布によって痛みの抑制をすると実際の痛みとのギャップが生じてしまい、貼らないと痛い!という脳の感覚になってしまう可能性が考えられるためです。
実際、どこに行けば良い?
どこに行けば良いの?という疑問が出てくると思います。
正直、これには正解がありません。
ですが、これだけは知って欲しいと思います。
腰痛=骨盤という内容で謳っている接骨院(整骨院)は絶対に避けるべきです。
理由は単純で、高単価な治療と高単価な回数券を売ることが目的になっており腰痛=骨盤という全てそこに結び付ける傾向があります。
今回ご紹介したように腰痛は骨盤からがすべてではないのです。
この内容を踏まえて受診先を決めて欲しいと思います。
まとめ
今回は腰痛の5種類についてご紹介しました。
腰痛は約3000万人が悩む国民病なので、改善方法の答えは決して一つではありません。
それぞれのフェーズで説明した内容を含めて接骨院・整形外科を選択して治療を受けてみましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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